注染とは、明治時代に大阪で生まれ今なお続く、20〜30枚いっぺんにできる手染めの方法です。
二十数メートルほどある長いさらしの布をジャバラ状に重ね合わせ、その上から染料を注ぐことで、
一度に20〜30枚分の手ぬぐいが染まります。染め上がった布には表と裏がなく、両面染まるのが特徴です。
また仕上げまでには多くの行程があり、それぞれの部分に職人さんがいます。
出来は彼らの経験と勘に頼ることが大きく、まさに熟練を要する匠の世界。
「にじゆら」の味わいや風合いは、腕のいい職人さんたちの手作業だからこそ表現できるのです。
【1、糊置き(板場:いたば)】
手ぬぐい1枚分の布を糊付け台の上に敷き、木枠をかぶせ、
型紙を固定します。
その上から防染糊を木へらでムラのないように伸ばしてこすり
つけます。
(糊が付けられた部分には、染料が染み込んでいきません。)
手ぬぐい25枚分のロール状に巻かれた布をジャバラ状に重ね
合わせながら、この作業を繰り返します。
【2、注染(壺人:つぼんど)】
折り重なった状態の布を染め台に置き、必要のない部分に
染料が流れ出さないように糊で土手を作り、その中にドビンと
呼ばれるじょうろで染料を注いでいきます。
染料は均等に、効率よく浸透させるために、染め台に
設置されている減圧タンクで吸引しながら注いでいきます。
下からポンプで吸引するため、生地の目(すきま)をつぶす
ことなく染め上げるとこができ、生地の柔らかな肌触りを
保つことができます。
一通り終わると布を裏返し、反対側からも同じ作業を
繰り返します。
これにより、裏表なく、きれいに染められます。
【3、水洗い(川:かわ)】
染めが一通り終わると川と呼ばれる洗い場へ向かいます。
先の工程で、重なり、ひっついている状態の防染糊と余分
な染料とを洗い流します。
移染しないように素早く洗い流すのがコツです。
【4、乾燥(伊達:だて)】
生地を十分に水洗いした後、脱水機にかけ、色が
移染しないように、すぐ乾燥させます。
かつては天日干しをしていましたが、現在は天日状態を
作っ乾燥室で乾燥させています。
【切りっぱなし】
タオルのように両端が縫い合わされてなく、切りっぱなし
なのが手ぬぐいの特徴。
切りっぱなしだからこそ、、乾きもよく、清潔に使うことが
できます。
そもそも江戸時代、下駄や草履の鼻緒が切れた時や怪我をした
時の包帯代わりに、応急処置として手ぬぐいが裂いて使われて
おり、裂きやすいように切りっぱなしにしておいた、というのも
一つの理由のようです。
【大切に育てる】
選択の際は、他のものと一緒に洗わず、合成洗剤や
蛍光増白剤・漂白剤は使用しないでください。
洗濯後は、形を整えて陰干しを。濡れたままでの放置や
つけおき洗いはしないでください。
また洗濯後は多少の縮みが出ます。アイロンをかける際は、
霧吹きで湿らせるかスチームでお願いします。
洗うたび、色合いは柔らかさを増し、肌触りも良くなります。
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